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FUJIFILM GFX100Sの開発担当者インタビュー!開発コンセプトと小型化への挑戦

目次

    動画について

    カメラのキタムラ公式YouTubeチャンネルによる、富士フィルム開発担当者の方へのインタビュー動画です。

    以前は中判と呼ばれていたセンサーサイズをラージフォーマットと呼んでいる理由や
    FUJIFILM GFX100Sの開発コンセプト、いかに性能を落とさず小型化を目指したかという経緯が語られています!

    小型化への挑戦は、実はFUJIFILM X-T4のバッテリー開発時から行われていた!?
    という衝撃な事実など、カメラ愛好家にはたまらない開発秘話になっていますので、
    ぜひ見てみてください♪

    Swamper Rate

    pro(専門)度★★★★★
    動画クオリティ★★★★☆
    聞きやすさ★★★★★
    わかりやすさ★★★★☆

    作成日:2021.07.02

    動画タイムライン

    00:00
    オープニング

    今回は富士フィルム開発担当の上野さんにFUJIFILM GFX100Sの話を聞く

    04:00
    ◆ラージフォーマットとは?
    センサーサイズは対角線55mm、横44mm、縦33mm
    フルサイズの約1.7倍の大きさ

    世間に対しては中判という言い方をするが、中は真ん中という意味
    35mmがあり4×5などのシートフィルムがあり、その間だから中判と言われていると思う

    デジタルカメラのセンサーラインナップを上から下まで大きさで並べると、
    この対角55mmのセンサーは(もう1個大きいのがあるものの)ほぼ民生用として最大サイズ
    グループ分けすると圧倒的にデジタルの中では最大サイズクラス

    それを考えるとフィルム時代の名前を引っ張って中判と呼ぶことに抵抗がある
    →富士フィルムではラージフォーマットと呼んでいる

    02:05
    ◆More than Full Frame
    FUJIFILM GFX100Sは非常に小型軽量
    ラージフォーマットカメラを大きく重く作ったら当然More than Full Frame
    →(フルサイズ機と)同等の大きさ・重さで機動性もほぼ同等にして、
    センサーが約1.7倍大きいカメラを同等の感覚で使ってほしい

    質量:約900g
    ※バッテリー・SDカード含む

    いろんなMoreがある
    More resolution(解像力)=1億画素
    1億の解像力はFUJIFILM GFX100Sの魅力のほんの一部でしかない

    1億あることで階調の滑らかさが上がる
    色再現の緻密さも上がる
    GFレンズあってこそだが、しっかり解像する
    →ベイヤー配列センサーではあるが、モアレ・偽色を低減することができる

    あらゆる画質の性能面においてMore than Full Frame

    【作例】
    ♪雲海がはっきりと表現されている♪

    色・階調がよくなると写真がどういう風に見えるか
    →質感・立体感が出てくる

    【作例】
    ♪ビルがしっかりと解像され立体感がある♪

    フルサイズが良いというユーザーの気持ちも原理が同じなのでわかる
    →その他の条件が一定だったら、画素とセンサーが大きければ大きいほど、
     先程述べた性能は上がっていく

    更に大きいフォーマットにして、より光が取り込めるセンサーにして、
    それをコンパクトにすることでワンランク上の写真をユーザーに提供できると考えた

    意気込みを含めMore than Full Frame

    04:34
    ◆開発コンセプト

    2019年に出したFUJIFILM GFX100は、当時サイズ・重量という意味では
    一眼レフカメラのフラグシップ機と同等の機動性を目指した

    FUJIFILM GFX100は従来の中判デジタルカメラよりも遥かに高い機動力を実現した

    特にプロコマーシャルの写真家を中心に導入例が増加した
    一方でプロ・アマ問わず
    「もっと小さければ…」「もっとリーズナブルな価格であれば…」
    という声も同じくらいもらった
    →1億画素センサー搭載で小型軽量・高機動性をもったカメラを作ろうと、
    FUJIFILM GFX100が発売されてしばらくしてから思った

    FUJIFILM GFX100ですら一体型にしてボディ内手ブレ補正を積んで、
    電池2つ込で1.4kgという重量に抑えてというのは相当頑張ったつもり
    →相当軽量化を図ったFUJIFILM GFX100より
     軽量化=最低でも1kg以下というところで始めた

    FUJIFILM GFX100で得た知見をフルに活かし、どうやったら小型化できるのか、
    低価格化できるのかというリストアップ
    →技術で潰していくということをして出来上がったのがFUJIFILM GFX100S

    07:02
    ◆小型化への挑戦

    FUJIFILM GFX100のサイズを支配していたのは、
    バッテリーとフォーカルプレーンシャッターユニット

    FUJIFILM GFX50Rはボディ左側にバッテリー、センサーの前に
    フォーカルプレーンシャッターユニット、右側にモーターを動かすアクチュエーター、
    さらに右側にメモリーカードスロットがある
    →SDカード・フォーカルプレーン・バッテリーで横幅が決まってしまう

    更に小さくしようと思ったら、バッテリーやフォーカルプレーンシャッターユニット、
    手ブレ補正ユニット全てを刷新しないと目標達成できない

    バッテリーはFUJIFILM X-T4用のバッテリーを開発するときに
    将来FUJIFILM GFXシリーズで使えるようにというのは予め見越して、企画陣は開発に提案していた

    あとはフォーカルプレーンシャッターユニットとアイビス(ボディ内手ブレ補正)の性能を落とさずに新規開発できるかがポイントだった
    →部材を極限まで軽量化、耐久性に問題のない部分は材質変更をしてこのサイズに収めた

    09:19
    ◆手ブレ補正力の向上

    今回で5個目の手ブレ補正ユニット開発

    FUJIFILM X-H1があり、FUJIFILM GFX100、FUJIFILM X-T4、FUJIFILM X-S10、FUJIFILM GFX100S
    →全て異なる手ブレ補正ユニット

    各機種に要求される仕様が違うので、安易に使い回さない

    FUJIFILM GFXシリーズとしては手ブレ補正初代機になるので、
    念には念を入れてしっかり作った

    それに対してFUJIFILM X-S10からのFUJIFILM GFX100Sは、
    より小型化へのニーズがあった
    →これまで培ってきた知見を活かした新手ブレ補正ユニット開発をした

    ジャイロセンサーの制御の仕方などをより進化させることで、
    段数に反映させることができた

    10:42
    ◆手ブレや好感度に弱い?

    FUJIFILM GFX100Sはボディ内手ブレ補正がある
    →1億画素がこんな簡単に撮れていいの?」という驚きがある

    上野さんはFUJIFILM GFX50Rも使っているが、低速でブレるかと言われると
    重量があるカメラのほうがブレは止まりやすいし、ホールディングもしっかりできるので、
    5000万画素だとそこまでブレない

    1億画素あると「ノイズが…」と思うかもしれないが、
    FUJIFILM GFX50RとFUJIFILM GFX100Sのノイズ性能はほぼ同等

    上野さんと付き合いのあるプロ写真家で「FUJIFILM GFX100Sの高感度弱いよね」と
    言っている人には1人もあったことがない

    むしろ「ISO6400でもこんなきれいなの」や「ISO3200は普通に使えるよね」
    といった意見が多い

    12:05
    エンディング

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