【初心者必見】Mモードを使おう!絞り・シャッタースピード・ISOの関係を解説
目次
動画について
カメラを始めたものの、絞り・シャッタースピード・ISO感度すべてを自分で設定するMモードは難しく感じてしまっている方は少なくないかもしれません。
そんなカメラ初心者の方のために、その3つの関係を簡単かつ具体的に解説してくれているのが、カメラ講師もされているYouTuberのわたなべりょうさん!
被写体を用意し、実際に撮影しながら作例を比較することによって、各数値を変化させたことによる写真への影響がとてもわかりやすいです。
実際にご自身のカメラでも確認することを推奨しているので、ぜひ動画を見ながらわたなべさんと一緒に実践して覚えてください♪
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pro(専門)度 | ★★★★★ |
動画クオリティ | ★★★★☆ |
聞きやすさ | ★★★★★ |
わかりやすさ | ★★★★★ |
作成日:2022.06.04
動画タイムライン
00:00
オープニング
今日のテーマ「カメラ初心者でも理解できる!初めてのMモード入門」
◆Mモードが難しい理由
覚えないといけない独自の仕組みが多いから
◆Mモードを理解する6step
1.写真が写る仕組みとMモード
2.絞りについて
3.シャッタースピードについて
4.ISO感度について
5.撮影データを確認&Mモードを使う
6.まとめ
00:42
1.写真が写る仕組みとMモード
写真=レンズから通ってきた光をカメラのセンサーが感知することでできている
・光が多い=明るい
・光が少ない=暗い
オートで撮影しているとき、
カメラは写真の明るさを決めるために3つのことを自動的に判断している
▼
1.光を取り込む隙間の大きさ=絞りF値
大きい隙間から光を取り込むのか、小さい細い隙間からしか光を取り込めないのか
2.光を記録する時間の長さ=シャッタースピード
長い時間光を取り込むのか、短い間しか光を取り込まないのか
3.光を感知する度合い=ISO感度
なるべくたくさんの光を感知して高画質で記録するのか、
わずかな光でも明るく感知しようとするのか
▼
この3つを自分で選ぶのがMモード
3つのうち、どれを変えても写真の明るさを変えることができる
3つには明るさを変える+独自の役割がある
MモードでもISOオートの場合もあるが、ここではオートは使用しない前提で話す
※オートでISO感度は自分で決める場合もある
02:40
Step2.絞りについて
◆オート撮影で明るさを決めるため、カメラが判断していること
1.光を取り込む隙間の大きさ=絞りF値
表し方=F2.8、F5.6、F11など
※F+数値で表す
役割1=光量の調節
数値が小さい方が光を取り込める隙間が大きく、取り込める光量が多い
▼
同じ撮影条件ならF値が小さい方が写真は明るくなる
役割2=被写界深度(ボケ具合)の調節
全体的にピントが合っているか、一箇所だけピントがあっていてたくさんボケるか
▼
F2.8のような小さい数値のほうがたくさんボケる
F13のような大きい数値のほうが全体的にピントが合っている
◆余談
レンズごとに決まっている一番小さなF値=開放F値
開放F値はレンズに書いてあるので、確認してみてほしい
エントリー機についているキットレンズだとF3.5-5.6と書いてある
▼
3.5-5.6などの表記は、
18mmでは3.5、55mmでは5.6の開放F値に変動することを意味している
※ズームレンズを回す位置によって開放F値が変動するレンズもある
04:40
◆被写界深度(ボケ具合)の変化を確かめるためにAモードで撮影テストをしよう!
A(Av)モード F5.6に設定
奥行きが出る構図にする
※ISO感度は室内なら200-6400程度にする
明るい場合は低め、暗い場合は高めに
手前のものにピントを合わせて写真を撮ってみる
【作例】
♪レンズキャップがぼやけて手前の被写体に立体感が出ている♪
A(Av)モード F11に設定
なるべく同じ構図で撮る
【作例】
♪先程よりピントがあい、レンズキャップが目立つようになっている♪
◆比較写真
左)
F5.6
SS1/250
ISO3200
焦点距離36mm
右)
F11
SS1/60
ISO3200
焦点距離36mm
F5.6は奥にあるレンズキャップがぼやけているが、
F11にしたほうはもう少しピントが合っていて文字がはっきり見えそうになっている
▼
F値を変えたことで絞りが絞られて被写界深度が変わったことを意味している
光を取り込む隙間が小さい(F値が大きい)ほうが全体的にピントが合う
=目を細めると遠くが見えるのと同じ仕組み
06:20
Step3.シャッタースピードについて
◆オート撮影で明るさを決めるため、カメラが判断していること
2.光を記録する時間の長さ=シャッタースピード
表し方=1/100、1/2、2”など
※2”=2秒
役割1=光量の調節
長いほうが光量が多い→写真は明るくなる
役割2=動いている被写体の写りの変化
長いほうが動きの軌道が写る
短ければ動いているものもピタッと止まって写せる
◆動く被写体の写り方の変化を確かめるために、S(Tv)モードで撮影テストをしよう!
S(Tv)モード 1/10に設定
ボールを回転させて撮る
※ISO感度は室内なら200-6400程度にする
明るい場合は低め、暗い場合は高めに
【作例】
♪ボールが回転しているのがわかる♪
S(Tv)モード 1/250に設定
なるべく同じ速度で回す
※ISO感度は室内なら200-6400程度にする
明るい場合は低め、暗い場合は高めに
※差が大きいほうがわかりやすいので、この値にしたが好みの値でOK
【作例】
♪先程より止まって見える♪
◆比較写真
左)
F20
SS1/10
ISO3200
焦点距離40mm
右)
F5
SS1/250
ISO3200
焦点距離40mm
SS1/10では回っているボールの残像が見える感じで写っている
SS1/250では動きがほとんど感じられない、ボールの形がわかる写りになっている
動いていないものを撮るときはシャッタースピードによる変化はほとんどない
※ただし長い場合は手ブレしやすくなる
09:15
Step4.ISO感度について
◆オート撮影で明るさを決めるため、カメラが判断していること
3.光を感知する度合い=ISO感度
読み方=「いそかんど」「あいえすおーかんど」
表し方=ISO100、ISO3200、ISO12800など
役割1=光量の調節
高いほうが光を感知できる度合いが高いため、明るく写る
役割2=画質の変化
高いとノイズが出やすくザラつく
低いほうが鮮明に写る
ISO6400やISO12800など数値が高いと、ノイズが発生しやすくなる
▼
特に暗い影の部分を拡大すると、色の階調が滑らかにならずにザラザラして、
他の色が混ざってしまう質感になる
低いとノイズが発生しにくく鮮明に写る
※ノイズの出やすさはカメラや撮影状況によりさまざま
◆実際に撮影して、ノイズの差を比べてみよう!
A(Av)モード F5.6 ISO感度100
※ISO感度はオートにならないように設定すること
※ブレてしまうときは、座ってしっかり構えるのも有効
※ISO100だと部屋が暗いとブレてしまうので、なるべく明るい場所で明るいときに撮る
A(Av)モード F5.6 ISO感度12800
※ISO感度はオートにならないように設定すること
※明るい場所では3200などもう少し低めにする
※差が大きいほうがわかりやすいので、この値にしたが好みの値でOK
◆比較写真
左)
F5.6
SS1/15
ISO100
焦点距離28mm
左)
F5.6
SS1/1250
ISO12800
焦点距離28mm
※等倍拡大
ISO100のほうはテーブルの木目もきれいに見えている
ISO12800のほうはテーブルの模様や影になっている部分がザラザラしている
▼
ISO感度を変えたことによって、画質が変わったことを意味している
※新しいカメラほど最低ISOが低く、最高ISOが高かったりする
12:17
Step5.撮影データを確認&Mモードを使う
最初に撮った写真のデータを確認する
【Nikonの方】
写真を表示した状態で、カーソルの上ボタンを数回押して表示する
※他のメーカーでもこのような画面がある
【Nikonでこの画面が出ない場合】
「再生画面設定」→「統合表示」のチェックをオンにする
◆比較写真
左)
F5.6
SS1/250
ISO3200
焦点距離36mm
右)
F11
SS1/60
ISO3200
焦点距離36mm
写真を見る限りボケ具合が変わっていることがわかる
▼
データを見るとF値だけでなくSSも変わっている
F5.6のときはSS1/250だったが、F11のときはSS1/60になった
F5.6=隙間が大きい
F11=隙間が小さい
▼
絞り(F値)的には光量が減るのを、
シャッタースピードを長くして光量が同じになるように補っている
Aモード=F値の変化に合わせて光量を保つようにシャッタースピードを変えてくれている
Mモード=F値を変えてもシャッタースピードは変わらない
▼
これを試すためにMモードを使って1枚目と同じ設定&構図の写真を撮ってみよう
※1枚目の撮影データ
F5.6
SS1/250
ISO3200
焦点距離36mm
AモードをMモードに変えて、
SS1/250
F5.6
ISO3200
で撮ってみる
Nikon D5000番台を使っている方は、
MモードでF値を変えるとき「露出補正ボタン+ダイヤル回し」で操作する
※機種により異なる
【作例】
ほとんど先ほどと同じような写真が撮れた
※
少し明るさが変わってしまった場合は、
時間が経ち明るさの条件が変わってしまったことが考えられる
MモードのままF値だけを11に変えて撮ってみる
【作例】
先ほどと比べて写真の色が暗くなった
AモードのときはF値の変化に応じてシャッタースピードを自動で変えてくれたが、
Mモードでは1/250のまま
▼
絞りが絞られた分だけ光量が減り、写真が暗く写った
2枚目をMモードで明るく撮りたい
→最初のF11のデータを参考にシャッタースピードを長くする
【作例】
暗かった写真を1枚目の明るかった写真と同じくらいまで明るくすることができた
シャッタースピードやISO感度でやった内容もMモードでやってみてほしい
◆比較写真
左)
Mモード
SS1/10
F10
ISO3200
右)
Mモード
SS1/250
F10
ISO3200
◆比較写真
左)
Mモード
SS1/15
F5.6
ISO100
右)
Mモード
SS1/15
F5
ISO3200
シャッタースピードもISO感度も写真の明るさに影響していることが実感できる
絞り・シャッタースピード・ISO感度は全部が連動して明るさが決まっている
+それぞれに独自の役割がある
全部総合的に考えて
ボケ具合(F値)
画質(ISO感度)
被写体の動き(シャッタースピード)
3つを自分で決めていくのがMモード
16:42
Step6.まとめ
写真の明るさを決めるもの
1.絞り
2.シャッタースピード
3.ISO感度
3つを全部自分で決めるのがMモード
※
場合によってはすごくブレてしまったり、
真っ白に写ってしまったり真っ暗になったりといったことが起きてしまう
動きを止めつつ被写界深度にもこだわれる
▼
意図的に効果的に使うと速く動いているものをピタッと止めて写したり、
長秒露光を使って水の流れを糸のように表現することもできる
【作例】
Mモード
SS1/400
F5.6
ISO640
♪子どもがブレずに、背景がボケて子どもが立体的に写っている♪
【作例】
Mモード
SS20”
F13
ISO64
※ND1000使用
♪水面が滑らかで美しい♪
いい写真を撮る撮影とは別に「カメラを理解する」時間を作ろう
▼
1つずつ変えてどう変わるか実験しながら撮ってみるのがオススメ
※複数変えると原因がわからなくなる
カメラの仕組みを理解していること≠写真が上手に撮れること
▼
その仕組みを利用して何をどう撮るかは撮る人次第
→何をどう撮るか、感性も大切に写真を楽しみたい
繰り返し練習して考えずに判断できるようになると写真がもっと楽しくなる